■ちょっとお高めだけど、柔らかくてボリューミーなステーキが食べられる
(値段は1,500円~3,500円ほど)
■場所は伊勢崎市の前橋館林線から一本交差点を曲がってすぐ。
ビーノの思い出
ステーキハウスビーノ。
そこはついこの間までは出来れば思い出したくなかった場所だった。
ほんの少しだけ、僕のしょうもない思い出話に付き合っていただけると嬉しいです!
◆
高校3年生の冬。
友達4人で地元でも美味しいと評判のステーキ屋に行った。
当時、僕はまだ進路が決まってなかった。
志望校にはことごとく惨敗し、悲しいことに浪人が確定していた。
なんで急に人生ハードモードになった!?と嘆く日々。不安と焦りでいっぱいだった。
他の友達は既に進路が決まっていることも、僕の焦りを加速させた。
今思えば、みんなはそんなネガティブモード全開の僕を励まそうとして、ステーキ屋に連れ出してくれたのかもしれない。
「マジで美味いらしいから行ってみよう!」と誘われ、友達についていった。
お店は伊勢崎市にある『ステーキハウスビーノ』。
ニトリやトイザらスなどがある前橋館林線線から一本交差点を曲がった通りにある。
ちょっと年季の入ったレトロな看板が目印だ。
僕たちは意気揚々とお店に入る。
カフェのようなお洒落な内装。どことなくウエスタンな雰囲気も漂う。
テーブル席に案内され、さっそくメニューを開いた。
そこで悲劇は起こった。
メニューを見ると「えっ…」とみんなで顔を見合わせる。
値段が高い…。想像していた3倍は高い…。
■和牛サーロインステーキ3,675円
■上州牛ヒレステーキ3,454円
■スペシャルステーキ1,565円
高校生のお財布にはキツかった。ファミレスだったら、ハンバーグステーキが3回は食べられるじゃん!
僕たちは揃って頭を抱えていた。ステーキ屋を完全に甘く見ていた。
結局、お金のない僕たちは871円のハンバーグを注文した。ステーキへの未練も残しながら。
そんな絶望の淵に立たされた時、僕はつい口走ってしまった。
「もし来年早稲田に受からなかったら、みんなにステーキ奢るよ」
すると3人は「言ったな、約束だぞ!」
…今思えば、あの時の僕はどうかしていた。
あの時の約束
翌年の春。
浪人生活を1年したが、結局早稲田には受からなかった。
もう一年浪人という選択肢はなかったため、合格した他の私大に通うことにした。
第一志望の大学ではなかったが、通ってみると案外自分にはあっていた。
勉強は大変だったけど、気の合う友達ができた。
そして、中高時代は全く女性に縁のなかった僕にも、ようやく彼女ができた。それが今の妻なんだけどね。
大学生が始まるとビーノでの約束はすっかり忘れていた。
…というのは嘘だ。
僕は『ビーノ』というワードを決して出さないようにしていた。
この話が掘り返されたら最後。僕は両腕を引っ張られて、ビーノに連れて行かれるだろう。
だから僕はみんながあの時の約束を忘れてくれることを切に願っていた。
しかし、人生はそう甘くない。大学を卒業して社会人になった頃、ついにその話題が掘り起こされてしまった。
高校時代のメンバーで集まった時、急に1人が言い放った。
「そういえば、ビーノの約束どうなったん?」
そうなってしまってはもう逃げられない。
あれ以降、高校のメンバーと顔を合わせるたびに「あれ、そういえばビーノはどうなったん?」と煽られる。
あの時の僕はなんであんな約束をしてしまったんだ…。
だってさ、社会人になったとはいえ、3人分のステーキを奢るのはなかなかの痛手じゃん。軽く諭吉は吹っ飛ぶよ!
とはいえ、自分が言い出したことだしシラを切るのもなー。散々悩んだ末、僕は腹をくくった。
いざビーノ、リベンジ
再びビーノに行ったのは結婚披露宴が終わった次の日。
まだ披露宴の余韻が残っている時に、あの時のメンバーを招集した。
お店は高校時代とほとんど変わっていなかった。
レトロな看板も、ウェスタン風の店内も、食欲がそそられるステーキの匂いも、そして強気なお値段も…。相変わらず高けーな。
僕は好きなのを頼んでいいよとは言ったが、みんなは遠慮してか3,675円の和牛サーロインではなく、1,565円のスペシャルステーキ180gを選んだ。
僕のお財布事情を考慮してくれたのは、マジでありがたい!
スペシャルステーキはオーストラリア産のリブロースだ。
焼き加減はレア、ミディアムレア、ウェルダンなどお好みでオーダーできる。
僕たちは真ん中のミディアムレアでオーダーした。
待っていると、先にミニサラダがやってきた。まずは前菜ですね、わかります。
サラダでお腹を満たしながら待つこと10分程。
高校時代は手を出せなかったステーキが、ようやく目の前にやってきた。
■スペシャルステーキ 1,565円
想像以上に肉がでかい!これは食べ応えがありそうだ。
ステーキの香りが嗅覚をくすぐり、究極に食欲がそそられる。
念願のステーキ、いただきます!
一切れ口に運ぶと、口の中が一気に幸せに包まれた。
肉、めちゃくちゃ柔らかい!
ファミレスでちょっと奮発して食べるステーキとはわけが違う。
軽くかむだけで噛み切れて、そのあとはじわじわと旨味が溢れてくる。
これは1,565円の価値はある。いやそれ以上値が張ってもおかしくないかもしれない。
そして脂身。僕は正直肉の脂身があまり好きじゃない。
だけどここのステーキは脂身まで美味しい。もたれる感覚もなく、質のいい脂に口の中が満たされていく。
そして和風醤油ソースと、にんにくバターもいい仕事をしている。
どちらも肉本来の味をグンと底上げする。
肉を食べつつ、ご飯をかきこむ。最高に幸せ…。
思い出すことさえ苦痛だったビーノだけど、リベンジできて本当良かった。
分厚く食べ応えのあるステーキだったがペロリと完食。
一緒に来た友達も美味いと絶賛していた。喜んでもらえて本当に良かった。
スペシャルステーキ、ごちそうさまでした!
いやー、本当にいい気分。じゃあ帰ろうかと思ったが、そうはいかない。
お会計は当然僕もちでみんなでビーノを後にしました。
ビーノからの帰り道、車を運転しながら、しみじみ感じた。
昔からの友達と今も付き合いが続き、こうして一緒にご飯を食べている。
それってとても幸せなことなのかもしれない。
環境や境遇が変わっても仲良くしてくれる友達。
その繋がりは大切にしないといけないなと強く感じました。

脂が苦手な人はスペシャルステーキでちょうどいいかもしれないです。
まだ僕は食べてないからわかんないけどね!(←アドバイスでも何でもない)
店舗情報
■店名:ステーキハウスビーノ
■住所:群馬県伊勢崎市連取町519-1
■TEL:0270-26-9121
■定休日:水曜日、第3木曜日
■営業時間
ランチ/11:00〜14:00
ディナー/17:30〜21:00
■駐車場:あり(11台)
■クレジットカード:不可
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